「自分のメンタルが弱い・・・。」
という悩みを抱えている方は、実は多いのではないでしょうか。
今日は、その問題をひもといて、メンタルの安定を取り戻せるようにお手伝いできたらと思います。
メンタルが安定しないのは、何か悩みや問題を抱えておられるからですよね。
一緒に考えていきましょう。
私は、相談援助業務といわれる職種で10年近く仕事をしてきました。
人の悩みを聞いて、一緒に問題解決を考える仕事です。
実は、そんな仕事をしながらも数年前は自分自身にしんどい時があり、約2年間くらい、今では考えられないほどの、自暴自棄な生活を続けた時期がありました。(仕事はちゃんとしていましたよ。)
つらい方のお気持ちもよくわかるつもりです。
本当につらい時って、どうしても問題を客観的には考えられないものです。
悩んでも悩んでも、一人では解決できないことをぐるぐると考えてしまう。
そんな時、
「自分はメンタルが弱いんだ」
と、自分を責めてしまう方が多いのです。
問題のただ中に身を沈めていると、闇雲に悩んでしまっていることが多いのです。
一つづつ、一緒に考えましょう。
問題を整理してみましょう。
悩みについてはその内容によって、いくつかに分けられます。
一つづつひもといていきましょう。
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対人関係
「職場のあの人とどうしても合わない・・・。」
とか、逃げられない家族関係など。
うまくいかない対人関係では、
「あなたはその人とどうなりたいですか?」
という問いに答えは明確でしょうか?
「どうしても仲良くなりたい!」相手との関係
近い関係、例えば家族などで関係がうまくいかない場合、たいていの原因は距離感です。
家族で意見が合わないときは、
「ここは本人が決める方がいい。」
とそっと見守ることや、
「全然違うんだね〜。」
と冷静に違いを把握できる方が、関係が安定します。
職場や学校の人間関係であるならば、時間をかけて、少しずつでもこちらから心を開くほうが、解決に近づきます。
「そんなことわかっている。」
そんな声が聞こえてきそうです。
では、ありきたりですが、
- その人に挨拶をしていますか?
- 目を見て会話をしていますか?
- そのときあなたは笑顔ですか?
- 顔だけでなく、身体全体を相手の方向に向けていますか?
- 相手の話に、しっかり耳を傾けていますか?
人は思っているより動物的です。
言葉の内容よりも、行動を見ています。
心で思っていても伝わりません。
特に視線を合わせて微笑むことなどは、自分が意識しているより重要です。
相手の反応は気になりますが、相手の反応ばかり気にしていても、問題は解決しません。
時間はかかりますが、自分自身の行動の積み重ねです。
「実は、関係を良くしたいとは思っていない。」相手との関係
このような場合、最低限の関係にとどめて、そっとそのままやり過ごすという方法が有効です。
適切な距離感というのは、人間関係においてとても重要です。
心地よい距離感があるなら、たいていの関係はうまくいきます。
距離感がおかしくなった途端、大切な人とでもうまく行かなくなります。
そして、「実は関係をよくしたいとは思っていない人」
のことを、1日のうち何度も考えることは、あなたのメンタルの安定を奪います。
自分のメンタルを大切にしてくださいね。
対自分の自責思考
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「どうしてあんな選択をしてしまったのか・・・。」
「どうしてあんな失敗をしてしまったのか・・・。」
という、自分を責めてしまう悩み。つらいですよね。
自分を責めてしまう時にどうしてつらいのかかわかりますか?
自分の胸に自分でナイフを突き立てているような状態だからです。
つらくて当たり前ですよね。
絶対にそんなことをしてはいけません。
例えば、あなたの親友が同じように悩んでいる時、自分自身にするような追求はしませんよね。
相手の話をじっくり話を聞いて、
「つらかったね。でも、そうするしかなかったんだよね?」
「そんな時もあるよ。」
「次はうまくいくよ。」
など、何か優しい言葉を探すのではないでしょうか。
自分にも同じように接するのです。
決して自分の胸にナイフを突き立ててはいけません。
それは問題解決にならないからです。
そして自分を責めることと、自分を甘やかすこととは違います。分けて考えましょう。
同じことをぐるぐる考えるのは、陸上でゴールのないトラックを走るようなものです。
どうしてもぐるぐる考えてしまう気持ちはよくわかりますが、少なくとも自分で、
「ああ、またおんなじことを考えて悩んでいる。」
と、少しでも自覚できる方がメンタルの安定につながります。
それは、解決可能な問題ですか?
解決可能な問題の場合
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あなたの抱えている問題は、どんな問題でしょうか?
解決可能な問題であるならば、勇気を持って行動しましょう。
最近、
「行動力があるよね。」
とほめてもらえることがあってうれしかったのですが、「行動力」とはなんでしょう?
勉強みたいに、点数で測れるものではなく、100m走のように、時間で測れるものでもないのです。
「自分に行動力がない」と考えるのは、もったいない思い込みです。
「自分に行動力がある」と考えるのも、ただの思い込みで、こちらは逆にフットワークが良くなります。
解決可能な問題に対して行動を起こしても、「時間」はかかります。
時間をかけてでも解決したい問題なら、急展開の解決を求めるのではなく、自分自身で階段を一段一段登るように、少しずつ解決に向けて行動しましょう。
結局はその行動が問題解決への近道です。
その悩みが大きいほど、複雑に絡み合ってとても解決は難しもの。
一つづつひもといて、少しずつしか解決はできないのです。
それでも、小さな一つの解決が、次の解決に続いています。
魔法の杖はありません。
悩んでいるよりは、一歩でも行動する方が、解決には近づきます。
そして、少しずつでも行動していることが、あなたのメンタルを安定させてくれます。
解決不可能な問題の場合
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大切な方を亡くしてしまった。
何か取り返しのつかない選択をしてしまったなど。
解決不可能な問題という点で、一番過酷な悩みになります。
この問題は、障害受容過程を学ぶことが解決の糸口になります。
障害者の受容過程における心理は、障害による人間としての価値の喪失から、価値の発見に至る心理反応の一部です。
人は誰でも生きていく過程で不測のストレスに遭遇します。たとえば、家族の病気や死、親しい人との離別、受験や事業の失敗などがこれにあたります。これらの不幸で痛ましい事態に対する人の心理反応と同じように、障害を受容する過程も同じような健康な心理反応であることを認識する必要があります。
障害の受容過程 公益財団法人 長寿科学振興財団HPより
障害受容の過程とは以下を順番に辿るのが基本です。
- 問題そのものの否認
- 自分や周囲の人に対する怒り
- 問題からの逃避反応
- 受容
その期間や過程に個人差があるものの、多くのひとが問題を抱えたとき、1→2→3→4の順に体験していくと言われています。
そして、個人差があるので、誰もが4の「受容」まで辿りつくとも限りません。
実は、自分が実際に苦しんだ時も、この4段階を知っていたので、自分の気持ちが過程を忠実に辿っているのを感じながら、歯を食いしばって日々を過ごしました。(今は「受容」の段階だと自覚しています。)
やみくもに苦しむのではなく、自分が今、どの過程にいるのかを客観視できるだけでも、少しは冷静になれます。
そしてそのことは、問題を一気に解決してくれる方法ではありませんが、時間がかかっても、問題を受け入れる手がかりにはなり得ます。
また、解決不可能な問題を悩んでいるときは、もう一つ有効な手段があります。
それは「時間」です。
時間だけが、その問題を解決してくれる。
今は涙が止まらなくても、5年、10年と時間を過ごすことで、人はつらい問題をやり過ごすことができるのです。
そして何より、つらい問題は一人で抱え込まず、誰か心許せるひとに聞いてもらいましょう。
もし身近な人に話せない悩みなら、カウンセリングや心療内科の力を借りることも考えましょう。
一人では、乗り越えられない問題だっていっぱいあるのですから。
あなたのメンタルの安定の一助になりますように。
読んでいただいて、ありがとうございました。
ではまた明日!